はじめに
営業マンがタスク管理を身に着けるべき理由
「営業マンは足で稼ぐ」。
営業職なら一度は耳にしたことがあるこのフレーズ。ですが、令和の時代にこれを信じてやみくもに突き進むのは危険です。
テクノロジーが発展した現代では、顧客はネット上でいくらでも比較・検討ができます。スピード、正確性、段取り。これらを徹底する営業が選ばれる時代です。
もしあなたの上司が「とにかく訪問数だ」と言っているなら、残念ながらそのスタイルは時代遅れ。効率的な管理と信頼構築ができない営業は、必ず負けます。
営業マンにとって、信頼=命です。
抜け漏れは致命的。たとえ小さな案件でも、期日を守れない人に多額の金額を投資できますか?
リスク高すぎますよね。
昔なら、多少ミスがあっても競合が少なく、付き合いで許されることもありました。(もちろんめちゃくちゃ怒られますが)
しかし今は違います。
競合は多く、顧客は満足できなければすぐに別の選択肢へ乗り換えます。
『怒られる』ではなく、『捨てられる』のです。ある意味、以前よりも厳しいプロの世界だと思いませんか。
タスク管理は高度なスキルであり、営業の成長ブースター
令和の営業マンは、ただモノを売るだけでは不十分です。顧客の本質的な課題を見抜き、適切な提案をし、場合によっては社内の企画部門や開発部門を巻き込むことも求められます。
その際、タスクを頭の中だけで処理していては、どこかで必ず抜けます。
だからこそ、タスク管理は令和の営業マンにとって必須スキルなのです。
「タスクなんて登録するだけでしょ?」
そう思ったあなたは危険です。
タスク管理は、ただの『やることメモ』ではありません。
正しく全体を把握し、何をどこまで、いつまでにやるのかを判断する。そうすることで、初めて仕事の質とスピードが劇的に変わるのです。
世界中のタスク管理アプリの数は、公開されている主要なものだけでも2,000〜3,000種類あるとされています(ChatGPTに大手レビューサイト・開発者フォーラム・Product Huntなどから推計してもらいました)。
つまり、それだけニーズがあり、価値があるという証拠です。
重要なのは、「どのツールを使うか」ではなく、「どう使いこなすか」。
このあと紹介する鉄則とノウハウをベースに、タスク管理をあなたの武器にしていきましょう。
1. タスク管理の目的と全体フロー(まずは全体像をつかもう)
【目的】
繰り返しになりますが、タスク管理の目的は、単にやることを整理することではありません。
自分とチームの成果を最大化するための土台づくりです。
タスク管理が上手くいくと、成果に繋がる様々な良い効果が生まれます。
- 抜け漏れ防止
- 重要な案件へのリソース投下
- 判断力の向上
- 無駄な残業削減
- 集中力の最大化
【基本ステップ】
冒頭にもお伝えした通り、多くの営業マンが「タスクを並べてチェックすること=タスク管理」だと誤解しています。
しかし本質は、“並べる”だけでなく、“整理し、優先し、実行し、振り返る”までを一貫して行うこと。
タスク管理とは、ゴール達成のために行動を設計・実行するための技術です。
下記の6ステップを意識することで、抜け漏れなく、効率的に仕事を前に進めることができます。

2. タスク管理が上手い人の習慣|鉄則と実践ノウハウ
タスクは「分解」しないと意味がない
多くの人が「1つのタスク」として処理していることも、よく見ると実は複数の工程の集合体であることが少なくありません。
たとえば「商談準備」というタスク。
これをそのままにしていると、なにから手を付ければいいのか分からず、行動が後回しになります。
しかし分解してみると、
- 過去の案件をリサーチ
- クライアントのニーズ整理
- 上司との壁打ち
- 資料構成のドラフト作成
- 提案資料のデザイン調整
- 印刷・送付準備
といったように、具体的なタスクが見えてきます。
タスクは「緊急度×重要度」で判断する
目の前の緊急なタスクにすぐ飛びついてしまう…。結果、時間がいくらあっても足りない。
営業現場ではありがちな行動ですが、それだけでは重要なことを後回しにするクセがついてしまいます。
まずは、今の仕事を緊急度と重要度のマトリクスで整理してみましょう。

緊急×重要に関しては言わずもがな最優先で取り組むべきことだとわかるでしょう。
意識すべきポイントは、『緊急×重要でない』『緊急でない×重要』です。
まず、『緊急×重要でない』仕事についてです。
立ち止まって考えてみて、本当に「あなたがやるべきこと」でしょうか?
場合によっては「やらない」あるいは「適任者に任せる」という選択肢を持てないか冷静に考えてみましょう。
一方で、『緊急でない×重要』な仕事は、未来の成果につながる仕込みのようなもの。
ここを放置してしまうと、将来のチャンスを逃してしまいます。
如何にしてこの『緊急でない×重要』な仕事に自分のリソースを投下できるかが、その後のスキルアップや成果に大きな影響をもたらします。
タスクはスケジュールに必ず落とすこと
期日が不透明なものでも、必ず期限を設定してください。「タスクが漂っている状態」が一番危険です。
整理タイムをルーティン化しよう
タスク管理は気分でやるものではありません。忙しい時も、時間に余裕があるときも必ずやるものだとして、実施してください。そのためには、ルーティン化が一番です。
- 朝の出勤後すぐ:予定確認(5分)
- 毎日の退勤前:進捗調整(10分)
- 金曜の退勤前:全体整理(30分)
週合計45分の投資で、仕事のパフォーマンスがグッと上がりますし、逆に残業数時間の削減につながったという話もざらにあります。
3. 用途別|おすすめタスク管理ツール
今回は各ツールについては、細かくは紹介しないが、まずは一つこれと決めたやつを使ってみてください。
ツール名 | 特徴 | 向いている人 |
---|---|---|
Notion | 柔軟&視覚的。習慣化しやすい | 情報整理が得意な人 |
スプレッドシート | シンプル&共有性が高い | チームと並行運用したい人 |
Slack Canvas | 会話と連携しやすい | Slackベースで仕事している人 |
手書きノート | 書くことで脳が整理される | デジタル疲れしている人 |
迷ったら手書きノートで大丈夫です!
何を使うかよりも、まずはやってみる!ということが大切です。ただし、一点だけ注意があります。
組織で使っているツールがあるなら、まずはそれを使うことが大切です。
理由はいくつかありますが、ピックアップするとこのようなものがあります。
- タスク管理は“個人最適化”ではなく“組織貢献”でもある
- 個人ツールを勝手に使っても評価されないことも多い
- 引き継ぎ・マネジメント・改善に活かすには、他人が見られる形で記録すること
4. まとめ
いい仕事・いいアイデアは「余白」から生まれます。
タスクに追われていると、生産性や創造性を失います。だからこそ、
タスク管理=“攻めの余白”をつくる技術
「できる営業」はタスク管理を制して、信頼を勝ち取り、チャンスを先回りして掴んでいます。
今回紹介したのはあくまで一例です。自分なりの『仕事のルール』を持ちましょう。ルールがなければ流され、ルールが多すぎると動けません。
迷ったら、ぜひ1on1で相談してください。あなたの現状に合ったタスク管理術を一緒に見つけましょう。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
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